農学部でも文系就職は可能なの?
農学部の就職先といえば食品メーカーなどの研究職に就くというイメージがありますが、文系就職を考えている人もいると思います。
そこで今回は、農学部からの文系就職について自分の経験をもとにまとめました。
こんな人におすすめ
- 農学部からの文系就職を考えている
- 理系の文系就職について知りたい
- 農学部であることを活かして文系就職する方法を知りたい
- 経験者の実体験を聞きたい
特に農学部の大学生の皆さんの周りには、「大学院に進学して将来は研究職に就くこと」を目指している人が多いと思います。
しかし、あなたが「研究職には向いていない」「研究以外の営業やマーケティング職に興味がある」と感じているのであれば、周りの声は無視して総合職に進む道を選ぶべきです。
すでに大学院に進学して勉強している人でも同じような悩みを抱えてるのであれば、総合職に進む道は残されています。
今回の記事では農学部(理系)ならではの悩みを抱えている人たちに向けて、農学部からの文系就職は全然可能であることを実体験を交えながらお伝えします。
逆に農学部であるという特徴をメリットとして活かして就活を進めるコツも書いているので、参考にしてみてください!
Contents
文系職と研究職の違い
そもそも文系職はどんなものか、理系の研究職はどんなものか、みなさんはイメージできていますか?
それぞれを正しく認識した上で、自分はどちらの道に進みたいのか考えていきましょう!
文系職について
そもそも文系の職種にはどのようなものがあるの?
一言で「文系職」といっても様々な職種が存在します。
数ある職種の中でも「自分は将来的にどの職種につきたいのか」就活を始める前にイメージしておくことが大切です。
営業職
文系就職は大半が営業職として配属されます。
会社によっては最初から他の職種(マーケティング等)に配属するところもありますが、ほとんどが営業職に配属されるイメージです。
理由としては、企画やマーケティングなどの業務を進める場合、自社製品やユーザーのことを深く理解している必要があるためです。
そのため、まずは営業職で経験を積んでから、その後他の部署にローテーションするという会社が多くあります。
企画・マーケティング職
企画やマーケティング職は華やかなイメージがあるので、この職種を志望する学生も多いのではないでしょうか。
しかし、人気がある一方で新入社員がこのような部署に最初に配属されることは、多くありません。
また、華やかなイメージとは裏腹に、データ集計などの地道な業務もたくさんあることを覚えておきましょう。
管理部門
管理部門は、法務、人事、経理、総務のことを指しており、会社を陰ながら支えている存在です。
特に法務や経理は特殊なスキルが必要な職種なので、希望しない限りは配属されることはないでしょう。
そして大学時代に簿記や法律などの勉強をしていない限りは、新入社員が配属されることはあまりないイメージです。
研究職について
研究職と一括りにして表すことが多いですが、研究職は「基礎研究」と「応用研究」に区別されて表されることがあります。
基礎研究で0→1の発見を行う研究を行い、そこでの発見を新商品などの実用化につなげていくのが応用研究というイメージです。
基礎研究
基礎研究とは、特別な応用・用途を直接的に考慮することなく仮説や理論を形成、または新しい知識を得るために行われる理論的または実験的な研究です。
引用元:沢井製薬
応用研究
対して応用研究は、基礎研究によって発見された知識を利用して、特定の目標を定めて実用化の可能性を確かめる研究や、既に実用化されている方法に関して新たな応用方法を探索する研究のことを指します。
引用元:沢井製薬
研究職以外にも製造技術職や品質管理職も農学部の就職先として考えられます。
また、研究職の特徴としては「どの業界の会社にも研究職が存在しているわけではない」ということです。
営業職であれば基本どの業界のどんな会社でも存在していますが、農学部の経験を活かす研究職は「食品メーカー」や「化粧品メーカー」など限られた業種に限られています。
農学部の就活事情
ネットの情報を見ると「農学部の就活は難しい」と言われているのを度々目にします。
はたしてそれは事実なのか気になりますよね?
このように言われる理由は2つあると思います。
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理由1:研究職募集人数が少ない
1つめの理由は、他の理系学部(特に工学部)と比較すると大手有名企業の研究職募集人数が少ないためだと思います。
農学部の知識を活かして研究職に就くとなると、就職先は食品メーカーや化粧品メーカーが考えられます。
そのような会社の研究職の募集人数を見ると各社数人ずつとなっていて、そもそも募集している母数が少ないことが原因だと思います。
理由2:農学部の目指す業界が人気の業界である
2つ目の理由は、農学部の就職先である食品メーカーや化粧品メーカーが人気の業界であるためです。
農学部の学生はもちろん、他の化学系の理系学部の学生も食品メーカー・化粧品メーカーを志望するため倍率が高くなっているように思われます・・・
しかし、ここで書いた就活事情はあくまでも研究職を目指す場合です。
文系就職を目指す場合は上記の激しい戦いから逃れることが可能です!
農学部の文系就職のメリット
農学部から文系総合職に就くメリットはあります!
農学部であることを上手く利用すれば、就職活動を有利に進めたり、就職後の実務でも活躍することも可能です。
メリット
- 「農学部」を上手く活用すれば選考を有利に進められる
- 就職後も実務で能力を発揮できる
「農学部」を上手く活用すれば選考を有利に進められる
農学部からの文系就職はどちらかというと少数派です。
面接官も「農学部なのになぜ文系の職種に応募しているんだろう」と疑問に思うことでしょう。
同じような学生がたくさん応募してくる中で、他のライバルと差別化できる特徴があることはメリットになります。
志望動機や自己PRに「農学部ならでは」のエピソードや強みを取り入れることで、アピールすることを意識しましょう。
逆に、農学部なのに文系就職を目指す理由を聞かれた時に上手く答えることができないと、「何も考えていない人」と思われてしまいます。
文系就職を目指す理由は必ず聞かれるものだと想定して、回答を事前に準備しておきましょう!
就職後も実務で能力を発揮できる
理系として培ってきた能力は、どこへ行ってもあなたの強みになります。
農学部の学生は日々の授業や研究生活の中で、論理的に物事を考えたり、仮説を立てた上で研究に取り組んだりと、社会人生活でも重要になる思考法を無意識のうちに磨いています。
就職後に実際に働き始めてからも、あなたの強みとしてメリットになること間違いなしです。
農学部で磨かれるスキル
- 論理的に物事を考える能力
- 仮説と検証を繰り返す力
- データから必要な情報を読み取り・分析する能力
- 数字に苦手意識を持たない
文系総合職として営業やマーケティングの職に就いた場合も、上記は必要不可欠なスキルなので、就職後も有利になることでしょう。
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農学部の文系就職のデメリット
メリットもあればデメリットもあります。
農学部から文系就職を目指すのであれば、デメリットも理解した上で就職活動に取り組みましょう。
デメリット
- 就職活動に割ける時間が少ない
- 周囲に就活仲間が少ない
- 農学部の知識は活かせない
就職活動に割ける時間が少ない
農学部の学生は卒論に向けた研究を同時並行で進めながら、就職活動をすることになります。
文系の学生は授業もあまりないので膨大な時間を就職活動に費やすことができる一方で、理系の学生は時間が限られているのは正直不利です。
忙しい農学部の学生は準備や対策を早めに行うことで、ディスアドバンテージを埋める努力が必要になります。
周囲に就活仲間が少ない
農学部からの文系就職は少数派ですので、文系と比較すると就活仲間が少なく、それによって就活に関する情報量も少ないイメージです。
「就活は情報戦」と言われることもあるぐらい、情報量は就活を成功させる鍵になります。
情報の取捨選択はもちろん必要ですが、就活仲間を作って情報収集も抜かりなく行いましょう。
農学部の知識は活かせない
食品メーカーや化粧品メーカーに文系就職すれば、知識を活かせそう!
農学部の知識が活かせそうな食品や化粧品メーカーに就職したとしても、文系職種では農学部の専門知識を活かすことはできません。
私自身もそのような考えを持ってメーカーに就職しましたが、「農学部の知識が役に立った!」と思ったことは一度もありませんでした。
メリットで紹介した「論理的思考能力」のような物事の考え方は活かせますが、「専門知識」に関しては役に立たないと考えた方がいいでしょう。
農学部出身におすすめの就活サイト
就活をする学生の大半は「リクルート」「マイナビ」「キャリタス」あたりに登録していると思います。
しかし、早期インターンの情報を扱っていたり、企業の採用担当者から特別な採用オファーが届くような別のサイトも存在します。
そこで以下では「他の就活生よりも一歩リードする」ためにおすすめの就活サイトを紹介します。
dodaキャンパス
CMでもみかけるdodaは転職サイトというイメージが強いかもしれませんが、就活サイトも運営しています。
今回紹介するベネッセの成長支援型逆求人就活サービス【dodaキャンパス】 は逆求人やオファー型の就活支援サービスであることが特徴です。
早期インターンの情報も取り扱っているため、早めに登録しておいて損はありません。
また、キャリアイベントの開催や、就活に向けた添削サービスの実施など就活生へのサポートが充実している点もおすすめです。
おすすめポイント
- 特別な就活情報をキャッチできる
- 就活生を支援するサービスやイベントが充実
- 逆オファーにより大手企業・優良企業とマッチングできる
Job-T
Job-T は企業からオファーが届くスカウト型の就活サイトですが、学生の能力・スキルを重視しているという点が一番の特徴です。学歴は全く関係なく、あなた自身のスキルや能力が評価されることで企業からのオファーが届きます。
自分の強みや弱みも分析できるので、自己分析の一環として利用している学生もいるようです。
おすすめポイント
- 学歴不問
- 農学部の学生は能力が比較的高いのでオファーが届きやすいかも
- 自己分析としても利用可能
オファーボックス
次に紹介するOfferBoxも企業からオファーが届くスカウト型の就活サイトです。
就活生の約3人に1人が利用しているサイトになっており、登録しておくのが無難なサイトでしょう。
ベンチャーから大手企業まで様々な企業が参加しているので、就活の視野が広がります。
特に農学部の学生は研究室で忙しく就活に時間を割けないという人が多いと思いますので、積極的に活用して見てください。
おすすめポイント
- 大手企業からのオファー実績も多数
- 企業からの一斉送信のような雑なオファーはない
- 就活の視野が広がる
準備を怠らなければ農学部の文系就職は楽勝!
今回は農学部からの文系就職についてお伝えしました。
就職活動を進める際には、文系と比較すると時間的な問題で不利に感じることも多いと思います。
しかし農学部であることをメリットとして活用すれば、希少価値の高い学生に簡単になることができます。
「なぜ文系就職がしたいのか」しっかりと考えを整理し、自信を持って就職活動に挑みましょう!
以上、「【就活実体験】農学部の文系就職は可能?メリット・就活事情を徹底解説」でした!
- 農学部の就活はネットで言われているほど難しくない
- 「農学部」という特徴を上手く活用することが大事
- 農学部で培った「思考方」は役立つが、「知識」は役立たない
- 準備を怠らなければ問題ない!